天津でよく聞く教育相談

小6の子供の本帰国、いつがベスト?

2011年1月20日

Q.ご質問
小6の娘がいます。父親の仕事の任期は、この先まだ4年以上天津にいることになりそうで、いつ帰任するかも未定です。娘の高校入試までには、父親を残して帰ろうと思うのですが、勉強面で考えるならば、いつ本帰国するのが最適なのでしょうか。

A.回答
天津から受験なさった方で、多い例をまとめてお答えします。

■高校入試ぎりぎりまで天津にいる場合■
勉強面でいうならば、テレビや遊ぶ場所等の誘惑が少ないため、天津にいるお子さんの方が、日本にいるお子さんよりも真面目に勉強しています。しっかり勉強させたいならば、天津は良い環境といえるでしょう。帰国子女枠入試なども活用できるため、日本で受験するよりも入試パターンを広げて考えることができます。しかし、入試書類の手配や学校見学が難しく、さらに同じ高校を受験するライバル達の様子が分からないという点では、ぎりぎりまで天津にいるリスクは大きいです。これらを総合的に考えて検討する必要があります。
高校入試ぎりぎりまで天津にいる場合、中学校に籍を残したまま、1月の受験前に学校を欠席して日本へ帰り、入試結果が出てから天津へ戻って卒業なさるパターンが多いです。

■中学生の途中で転校する場合■
高校入試直前まで天津にいた方から聞く率直な感想は「やっぱり天津からの入試は大変だった」です。それならば、中3の夏・秋までに日本の学校へ転校すればいいようにも思えますが、転校先がまったく慣れない環境である場合は、友人関係や勉強、家の周りの道や電車の路線等、慣れるまでの苦労は多いでしょう。特に、学年途中の転校は、学校の先生の授業やテストにも慣れていないため、成績が落ちてしまうことも考えられます。中3の成績は、入試の判断基準になりますから、途中で転校を検討する場合は、中2や、中1の入学当初からのほうがいいでしょうね。

■本帰国先が未定の場合■
本帰国先が未定の場合、帰国先が決まってから家を探そうとお考えの方もいらっしゃいますが、先に帰国する1都市を決めて、心の準備をしておくことをお薦めします。その地域の高校受験案内などをご購入になり、お子様に読ませることで、帰国や受験について、少し意識してもらうのがよいでしょう。本帰国場所は、天津にいらっしゃる前に長くお住まいになっていた場所が、一番いいでしょう。何も知らない場所でゼロからスタートするよりは、ご家族が電車の路線や高校のランクを知っているだけでも状況が違うと思います。

■高校生以降■
天津市内に日本人学校の高等部はないので、中学校を卒業しても天津に残る場合にはインターナショナルスクールや現地の学校へ行くことになります。(来年度から上海日本人学校には高等部ができますが、天津にはありません。)高校では、転校ではなく、試験を合格した上で「編入」になりますから、編入先をある程度見定めておくことが必要です。編入試験や条件は学校により異なりますから、事前に問い合わせる等したほうがよいでしょう。
高校編入は、一般的に、学年が上がるごとに合格率が低くなりますから、早いうちの編入をお薦めします。

 

(フリーペーパー「友」 2011年1月号掲載)

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