Q.ご質問
中2の息子は、勉強せずにゲームばかりしています。学校のテスト前になって、あわてて勉強をしだすのですが、サボっていた量の多さにパニックになってしまい、何もできません。悪い点を取るたびに「次は頑張る」と言っています。こんな子供はどうすれば勉強を続けられるのでしょうか。
A.回答
個人差はありますが、特に男の子の保護者が持つ悩みのようです。人間誰でも楽しいものや新しいものが好きです。地道に続けることや繰り返すことは、面倒なことと思いがちで、なかなか続けられません。
「ずっと先の大きな目標」よりは「目先の小さな目標」
まずはお子様と一緒に勉強の目標を立ててみてください。「○○高校に受かる」「偏差値を20上げる」など、あまりに大きな目標ではなく、もっと近い時期に結果の出るような達成しやすい目標がいいでしょう。たとえば2日後の漢字テストで満点をとることや、来週までに英単語を百個練習することなどです。
「勉強での目標」と言われると、お子様は、必死に勉強をした上で達成されるものと思いがちです。しかし、それは漠然としすぎていて、現在の自分がどうすればいいのか分からないままになってしまいます。将来の大きな目標達成の為に、明日や来週までに、何をすべきなのか、ぜひ目標設定をお手伝いしてあげてください。小さな目標をいくつもいくつも達成していくことで、お子様はコツコツ勉強を続けることが上手になっていきます。
また、お勧めしたくないのは、保護者が設定目標を下げるなどして、逃げ道を与えてしまうことです。一度決めたからには、ぜひ最後まで挑戦させましょう。これは、勉強に限らず受験校や将来にも通じることです。
腰が上がっている時が狙い目
嫌なことというのは、手をつけ始めるのが大変なもの。やらなくてはならないと分かっているのに、ずっと後回しにする方も多いでしょう。たとえば、リビングで一度座ってテレビを見始めると、番組が終わるまでなかなか止めることができません。一度座ると腰を上げるのが、苦になってしまうのです。
そんな腰が重いお子様こそ、腰が上がっているあいだが狙い目です。一番いいのが、学校から帰った直後です。帰宅直後、リビングやゲームの前に座る前に、「勉強机に1時間座る」習慣をつけさせましょう。
やらなければならないことをすべて紙に書きだす
やることがたくさんある時は、やるべきことをすべて紙に書き出し、頭の中を整理させましょう。やらなくてはならないことを並べることで、「何から手をつければいいか」の優先順位をつけることができます。そして、やり終えた項目には印をつけていきます。やり終えたことが目に見えるのは、小さな達成感に繋がるはずです。
また、優先順位をつける際には、できるだけ短い時間で終わる簡単なものから手をつけましょう。これは、一見すると、大変な仕事を後回しにしているようですが、やるべき項目を一つでも減らすと、精神的に安心できるはずです。
以上、いろいろご助言しましたが、何よりも勉強は「きっかけ」が大切です。保護者の方もお子様も、これを読んでみて、ほんの少しでもやる気が出たのではないでしょうか。そんなときが勉強を始める一番のチャンスです。「今」からスタートしてみてください。
(フリーペーパー「友」 2010年5月号掲載)