天津でよく聞く教育相談

入試本番!注意しなくてはならないことって何ですか?

2011年1月20日

Q.ご質問

中3の娘の入試本番が迫ってきました。今まで日本で模擬試験などを受けたことがありません。受験生は、どんな点に注意するべきなのでしょうか。

 

A.回答

帰国子女の入試は昨年11月から始まっています。しかし、公立高校の入試は3月にある都道府県が多いため、まだこれからが本番という方も多いでしょう。

この時期の塾は、勉強面だけでなく、健康面・精神面でのサポートをしています。今までの勉強で積み重ねてきたものを十二分に発揮させることが、今、最も大切な指導なのです。今どきの子供達、天津の子供達は、以下のようなことに注意しておくことが必要です。

  1. 入試本番と同じ雰囲気に慣れておく
    勉強面だけでなく、いろいろな面で、試験と同じ雰囲気に慣れておくことが必要です。
    天津では制服のない学校が多い為、入試本番は、自分でご用意した正装で受験することになるでしょう。
    普段慣れていない格好ですから、入試の前に一度は、当日の格好で机に向かう練習をしておきましょう。
    日本の塾では、塾生全員に制服を着てくるよう指示し、入試の練習をさせるところもあります。 格好について毎年よく聞く失敗談は、試験会場の座席がエアコンの近くで暑かったり、ドア付近で寒かったりしたということです。
    どんな状況になってもいいように、調節をしやすい格好にすることをお勧めします。
    持ち物としては、腕時計、ポケットティッシュは忘れずに。授業中にメガネをかける方ならメガネも会場に持参しましょう。試験問題に訂正があった時には、黒板で訂正が知らされます。
  2. 入試会場への移動
    入試当日は、試験開始1時間前には到着しておくのが普通です。
    10分前行動では、一番最後の到着になってしまいます。入試会場には保護者の方が同伴してください。
    電車やバスに遅れなどのトラブルが遭った時に、地元に慣れていないお子様一人では対応できません。
    入試会場では、保護者の控え室が用意されている学校もありますので、試験中はそこで待つことが可能です。
    昨年の受験生の声で多かったのが「通勤ラッシュの満員電車で人酔いしてしまった」という感想でした。入試前に一度、朝の通勤ラッシュを体験しておくことも必要かもしれませんね。
  3. 入試会場に着いたら
    一学年の生徒数が千人を超えるマンモス校では、体育館で一度に入試をすることがあります。
    昨年の受験生の声で「受験生の人数の多さにビックリして、本領を出せなかった」というのがありました。(さらに、自分以外の受験生は、なぜかみんな頭がよさそうに見えてしまうらしいです。)
    私としては、人口の多い中国にいるのですから、問題ないと感じていましたが、天津で、少人数での教室にしか慣れていないお子様にとって、入試会場は驚くような空間だったのでしょう。
    他に驚くのは、入試会場の外です。学校の校門前は、警備員が数名いるだけではありません。
    塾の先生が、入試直前の塾生を応援するために、校門の前で待ち伏せをしています。(これは、塾にとっても、ライバル他塾との意地をかけた争いなのです。)
    特に、難関校では、その応援に来ている塾の先生の数は、百人以上になる時もあります。
    日本の生徒なら、ここで塾の先生に励まされたり、同じ中学校の友人とおしゃべりをしたりして緊張をほぐすところですが、天津から受験に行くお子様には知っている人が誰もいません。
    入試当日、初めて上記のような場面を目の当たりにして、雰囲気に圧倒されないようにするために、まずは事前情報として「こうなっているかもしれないよ」と、お子様にお話をしておいてあげてください。
    事前に知っておくだけで、心構えはずいぶん変わるはずですよ。

 

(フリーペーパー「友」 2010年3月号掲載)

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