天津でよく聞く教育相談

本帰国後、勉強で注意しなければならないことは?

2011年1月20日

Q.ご質問

日本人学校に通う中1の子供がいます。もうすぐ、本帰国が近づいているのですが、帰国直後は慣れるまで、勉強に専念させるつもりでいます。帰国直後に勉強面で注意しなければならないことってありますか?

 

A.回答

まずは、現在お通いの学校の学習進度と、転校先の学習進度に大きな差がないか、確認をしてみましょう。転校先の学校に直接問い合わせてもいいですし、同じ学校になるお知り合いに聞いてみるのもいいでしょう。

特に大きな差が予想されるのは、社会科です。社会科は、1) 中1で地理・中2で歴史のように、学年ごとに内容を分ける場合と、2) 中1から地理と歴史を交互に進め、中2の3月までに両方を終了させる場合の2つの進め方があり、その自治体によって進め方が異なるためです。

それ以外にも、今年度の理科・数学に関していえば、学習指導要領の改訂に伴う準備が行われているため、担当の先生によって進度が異なることも考えられます。

学習進度の差がある場合、進んでいるのならばいいのですが、遅れている場合は、自分で学習をしておかないと、その単元はずっと知らないままです。数年後には、そのまま高校入試を迎えることになってしまいます。なんとか自分で学習をしなくてはなりません。可能ならば、天津にいる間からその差をうめる学習をしておくことをお勧めします。長期休暇をはさんでの転校ならば、新学期の開講前に、本帰国先の地元塾で個別指導を受講し、その内容を受けておくとよいでしょう。

また、転校後は、新しい環境に慣れるまでの間、部活や委員会などの活動はやらないほうがいいという意見はよく聞きます。入試の近い中3での本帰国ならともかく、まだ時間のある学年でしたら、是非やってみることをお勧めします。近年の高校入試では、学業成績だけで合否を評価する学校は少ないです。むしろ、中学校3年間の部活動や生徒会活動への参加、出席日数などが、合否の評価に加味されるようになってきています。少しでもチャンスを増やすために、学校の活動は積極的にやったほうがいいでしょう。

お家の方が心配を募らせるのも分かりますが、私たちが思っている以上に、子供には順応性があります。確かにお子様は、新しい対人関係や慣れない生活習慣に対して、ストレスを感じることもあるでしょう。しかし、ここはグッとこらえて、お子様を新しい環境に投げ入れてみてください。お子様を信じて、陰から見守ってあげることが、保護者として一番大切なことです。

 

(フリーペーパー「友」 2009年9月号掲載)

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