天津でよく聞く教育相談

小学校3年生までに身につけておきたい読書習慣

2011年1月20日

Q.ご質問

小学2年生の子供が国語を苦手としています。母親の私自身、国語がずっと苦手でした。子供にはぜひ国語を得意になってほしいのですが、本をまったく読みません。どうすればいいのでしょうか。

 

A.回答

日本では非常によくある質問です。しかし、ずっと日本で育っているお子様に比べると、海外にいるお子様は本をよく読んでいるように思います。見られるテレビ番組が少ない分、読書に時間があてられているのでしょうか。

幼稚園から小学校低学年までのお子様を持つご家庭で、ぜひお薦めしたいのが、「お母様自身が本を読むこと」です。お母様がよく本を読むご家庭では、お子様もよく本をお読みになっています。お母様は、小さなお子様にとって、一番長い時間を過ごす人です。そのお母様自身が読書をしている姿を見せ、読書の楽しさを示すことが大切なようです。これをお読みになっているお母様は、よくお子様の前で本をお読みになっていますか。これを機にご家庭で読書の習慣をつけるのもいかがでしょうか。

では、読むべき本の内容についてですが、「特にこれを読めば国語力が伸びる!」という本はありません。ただ、保護者の方が、読むべき本を一方的に押し付けるよりも、お子様自身が興味を持てる内容の本を読ませてほしいと思います。

日本に一時帰国の際には、お子様と一緒に大きな本屋さんへ行き、読みたい本を選ばせてあげてください。鉄道に興味のあるお子様は、鉄道に関する本を持ってくるでしょうし、恐竜に興味のある方は、恐竜に関する本を持ってくることでしょう。まずは、お子様が興味のある本から、読書に慣れさせてみてください。

数年後に中学受験をお考えの場合は、よく国語の入試に出題されやすい作品もあります。最近3年間で最も多く出題された作家は、重松清さん、あさのあつこさん、小川洋子さんです。入試本番までに余裕があるうちから、これらの作者の作品を読んで、受験に備えることも可能です。

また、高校受験・大学受験になると、国語の入試問題の中で、文学史が出題されることがあります。例えば「トンネルを抜けると・・・の冒頭で始まる文学作品を述べなさい」などです。小さい頃に読書を積んでおかないと、この分野はすべて丸暗記になってしまいます。早いうちから読書の習慣を身につけておくと、きっと楽になるはずです。そのためには、保護者の方のご協力が何より必要になるのです。

(フリーペーパー「友」 2009年7月号掲載)

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