お子さまが片付けをするのが苦手で、どうしても部屋が散らかってしまう、これはよく聞くご相談内容です。
では、どのようにすれば、少しでも解決するでしょうか?「片づけなさい」と口で言うだけでは、全くと言ってよいほど効果はありません。
大事なのは、最初は保護者の方が「片づける方法」を教えてあげることなのです。
まずは、片づけられる環境を作ってあげてください。つまり、”これはどこにしまう”ということを決めてあげるのです。そして、実際にやって見せてあげてください。使用頻度に合わせて、しまう場所を考えていかねばなりません。よく使うものなのに、奥の方へしまってしまうと、出すのが億劫になるだけではなく、しまうのも億劫になってしまいます。そうして、部屋を一度綺麗な状態にしてあげたあと、「次からは自分でしまうようにしようね」、と言ってあげると多くの場合、続いていきます。また、しばらくの間は、片付けをする様子を保護者の方が見てあげるのもいいかもしれません。
次に、しまう場所に入りきらないものが出た場合は、”不要なものは捨てる”ということを教えてあげてください。先ほど、使用頻度によってしまう場所を決めると言いましたが、使用頻度があまりに低いもの、例えば、もう年齢的に使わないだろうというもの、などは、置いておくとスペースをとるだけで、片付きません。そういったものは、”捨てる勇気”が出させるように仕向けてあげてください。
以上のことができた時に初めて、「使い終わったものは元に戻す。いらなくなったものは捨てる」という習慣ができて、部屋の片づけをすることができるようになるのです。ただ、油断するとすぐに部屋は片付かなくなりますので、繰り返し教えてあげる「忍耐力」も、保護者の方には必要になってきます。
最後に、中国で生活をしていると、家にお掃除の方が入られる場合があると思いますが、できれば、自分の部屋は自分で片づける、ことを推奨します。これは、自分の所有物を自分の責任で管理することともつながってきます。また、保護者の方が率先して手本となるような片付け(掃除)をするようにしてあげてください。子どもは、親自身がやってないことをやることはありません。また、そんな状態で保護者の方が子どもさんを叱っていても、説得力がありません。子どもは親の姿から善きにつけ悪しきにつけ、たくさんのことを学んでいくのです。